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タナトフォビアとは
タナトフォビアとは、死に対する異常な恐怖症(精神疾患)のことです。
日本語では「死恐怖症」と言います。
thanatophobia:ギリシャ神話の死の神タナトスが由来。
死そのものだけでなく、死のイメージや死に関する話題に触れることさえも極度に恐れるようになります。
因みに、この症状は、自身の死ではなく死体や瀕死の他者を恐れるネクロフォビア(死体恐怖症) とは異なります。
タナトフォビアの可能性がある芸能人、有名人
女優の「渡辺えり」さんは、幼少期からタナトフォビアを患っており、2歳の頃、母親に「どうして自分を生んだんだ!」と発言して母親を困惑させたことがある。
演劇を始めたのも「そのときだけは、死を忘れることができるから」という理由らしいです。
また、以下の有名人・芸能人たちも、作品やインタビューの中で、死への恐怖を思わせるような発言をしています。
西川貴教、堀江貴文、明石家さんま、中居正広、木村拓哉。
先人だと、ナポレオン、手塚治虫(漫画家)、大江健三郎(小説家)、芥川龍之介(小説家)も死を極端に恐れていたらしいです。
しかしならが、実際にタナトフォビアであるかどうかは、本人しか知り得ません。
あくまでも推測であり、確実なものではないことをご了承ください。
キタニタツヤさんは、「タナトフォビア」というズバリそのままの楽曲を発表しています。
タナトフォビアと類似する症状
タナトフォビアと混同される可能性がある症状としては、以下のようなものがあります。
- 全般性不安障害:さまざまなことを過度に心配する症状
- パニック障害:突然の激しい動悸や呼吸困難などの症状
- 社交不安障害:人前で話すことや人混みにいることなどを恐れる症状
- 強迫性障害:不要な考えや行動が繰り返し浮かぶ症状
- うつ病:気分が落ち込み、何もやる気が出ない症状
これらの症状は、タナトフォビアだけでなく、他の精神疾患でもみられることがあります。
タナトフォビアの症状
タナトフォビアの症状は、人によって程度や種類が異なりますが、主な症状をリストアップします。
精神的症状
- 死への強い恐怖
- 死後の世界への恐怖
- 自分の死や家族の死を常に考える
- 死について考えるだけで不安やパニックになる
- 死に関連する言葉や場所を避ける
- 棺桶や墓地など、死を連想させるものを恐れる
- 死ぬことを想像すると、息苦しさや動悸を感じる
肉体的症状
- 動悸
- 息切れ
- めまい
- 吐き気
- 震え
- 発汗
- 頭痛
- 不眠
- 過眠
日常生活への影響
タナトフォビアの症状は、日常生活に支障をきたすことがあります。
- 仕事や学校に行くのが難しくなる
- 人と会うのが怖くなる
- 旅行や外出が怖くなる
- 家事や育児などの日常生活の活動が難しくなる
- 死への恐怖から、自殺を考えてしまうこともある
死への恐怖から不眠や過眠に
タナトフォビアの患者さんは、死への恐怖から不眠や過眠に悩まされることがあります。
- 不眠:死について考えてしまい、眠りにつくことができない
- 過眠:死への恐怖から逃れるために、過度に睡眠をとる
アルコールやタバコなどに依存してしまうことも
タナトフォビアの患者さんは、死への恐怖を和らげるために、アルコールやタバコなどの嗜好品に依存してしまうことがあります。
タナトフォビアの原因
タナトフォビアの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因、心理的要因、トラウマ体験などが関係していると考えられています。
遺伝的要因
タナトフォビアは、家族内に発生しやすい傾向があります。
そのため、遺伝的な要素が関係していると考えられています。
心理的要因
幼少期に死に関するネガティブな体験をしたことが、タナトフォビアの発症リスクを高める可能性があります。
- 親の死
- 祖父母の死
- ペットの死
- 事故や災害
- 病気
トラウマ体験
戦争やテロなどのトラウマ体験は、タナトフォビアの発症リスクを高める可能性があります。
タナトフォビアの診断
タナトフォビアの診断は、専門医による診察が必要です。
医師は、患者さんの症状や病歴などを問診し、必要に応じて心理検査を行います。
診断基準
タナトフォビアの診断基準は、以下の通りです。
- 死に対する異常な恐怖が6ヶ月以上続く
- 日常生活に支障をきたしている
- 他の精神疾患による症状ではない
鑑別診断
タナトフォビアと区別する必要がある他の精神疾患としては、以下のようなものがあります。
- 全般性不安障害
- パニック障害
- 社交不安障害
- 強迫性障害
- うつ病
これらの症状は、タナトフォビアだけでなく、他の精神疾患でもみられることがあります。
タナトフォビアの治療
タナトフォビアの治療には、心理療法と薬物療法があります。
心理療法
心理療法には、以下のようなものがあります。
- 認知行動療法:死に関する否定的な思考パターンを修正する治療法
- EMDR療法:トラウマ体験を処理する治療法
- その他の心理療法:リラクゼーション法やグループセラピーなど
薬物療法
薬物療法には、抗不安薬や抗うつ薬が使用されます。
これらの薬は、タナトフォビアの症状を軽減するのに役立ちますが、根本的な原因を解決するものではありません。
生活習慣の改善
タナトフォビアの症状を軽減するために、以下の生活習慣の改善が役立ちます。
- 規則正しい生活を送る
- 十分な睡眠をとる
- 適度な運動をする
- バランスのとれた食事をとる
- カフェインやアルコールを控える
- ストレスを溜めない
支援を求める
タナトフォビアの治療には、専門医だけでなく、家族や友人などの支援も重要です。
また、タナトフォビア患者向けの支援団体なども存在します。
子供とタナトフォビア
子供もタナトフォビアになることがあります。
子供のタナトフォビアの症状としては、以下のようなものがあります。
- 死を恐れる
- 死について質問する
- 死に関する夢を見る
- 死に関する本や映画を怖がる
- 死に関連する場所を避ける
子供のタナトフォビアへの対応としては、以下のようなことが挙げられます。
- 子供の話をよく聞いて理解しようとする
- 子供の恐怖を否定したり、軽視したりしない
- 死について正直に説明する
- 専門医に相談する
タナトフォビアに関するよくある質問
Q:タナトフォビアは治る?
A:はい、タナトフォビアは適切な治療によって治すことができます。
Q:タナトフォビアは誰にでも起こる?
A:誰にでも起こる可能性はありますが、遺伝的要因や心理的要因、トラウマ体験などによって発症リスクが高まることがあります。
Q:タナトフォビアを自分で治す方法は?
A:タナトフォビアを自分で治すのは難しいです。専門医による治療を受けることが大切です。
まとめ
タナトフォビアは、死に対する異常な恐怖症です。
症状は人によって程度や種類が異なりますが、日常生活に支障をきたすこともあります。
タナトフォビアは、適切な治療によって治すことができます。
死への恐怖に苦しんでいる方は、一人で抱え込まずに、ぜひ専門医に相談してください。
この情報は、あくまでも参考情報であり、医学的なアドバイスではありません。タナトフォビアの症状でお困りの方は、必ず専門医に相談してください。
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