地球温暖化、異常気象、生物多様性の減少など、地球環境は今、かつてないほどの危機に直面しています。
これらの問題の根底にあるのが、私たち人間活動がもたらす「環境負荷」です。
この記事では、環境負荷の種類や具体的な影響、そして私たち一人一人にできる取り組みについて解説します。
INDEX
環境負荷の歴史と現状
産業革命以降、人類は大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を築いてきました。
工場からの煤煙、自動車の排気ガス、化学物質の流出など、経済発展と共に環境負荷は増大してきました。
1950年代から60年代にかけて、日本では深刻な公害問題が発生しました。
水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病など、工業化がもたらした環境汚染は多くの健康被害をもたらしました。
現在、環境負荷は地球規模で深刻な問題となっています。
地球温暖化による異常気象や海面上昇、大気汚染や水質汚濁による健康被害、廃棄物問題、生物多様性の損失など、私たちの生活や経済活動は、様々な形で環境に負荷を与えているのです。
環境負荷の種類と影響
環境負荷には、大きく分けて以下のような種類があり、それぞれ深刻な影響を及ぼしています。
1. 地球温暖化
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出は、地球の平均気温を上昇させています。
その結果、氷河の融解や海面上昇、異常気象の頻発など、様々な影響が生じています。
2018年の台風21号は、大阪湾で最大瞬間風速58.1m/sを記録し、関西国際空港の浸水や多数の家屋損壊をもたらしました。
近年の異常気象の激甚化は、地球温暖化の影響と考えられています。
2. 大気汚染
工場や自動車から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物は、大気汚染の原因となります。PM2.5(微小粒子状物質)など、直径2.5μm以下の小さな粒子は、喘息や肺がんのリスクを高めることが知られています。
中国の大都市では、急速な工業化に伴う大気汚染が深刻な問題となっています。
2013年1月には、北京のPM2.5濃度が900μg/m³を超える「危険」レベルを記録しました。
3. 水質汚濁
工場排水や生活排水、農薬の流出などは、河川や海洋の水質汚濁を引き起こします。有機物による富栄養化は、プランクトンの異常増殖を引き起こす「赤潮」や「青潮」を発生させ、魚介類の大量死を招きます。
バングラデシュでは、皮革工場からの排水によって首都ダッカ近郊の河川が深刻に汚染されています。クロムなどの重金属が高濃度で検出され、周辺住民の健康被害が懸念されています。
4. 土壌汚染
有害物質の不法投棄や農薬の過剰使用は、土壌汚染を引き起こします。カドミウムや鉛など重金属による土壌汚染は、農作物を汚染し、食の安全性を脅かします。
日本の富山県神通川流域では、かつてカドミウム汚染による「イタイイタイ病」が多発しました。土壌や河川のカドミウム汚染が原因で、多くの住民が骨軟化症に苦しみました。
5. 生物多様性の損失
開発や汚染による自然環境の破壊は、多くの生物の生息地を奪い、絶滅の危機をもたらしています。
私たちの生存は、多様な生態系サービスに支えられていますが、生物多様性の損失は、その基盤を揺るがしています。
世界自然保護基金(WWF)の「生きている地球レポート2020」によると、過去50年の間に脊椎動物の個体数が平均で68%減少しました。
6. 廃棄物問題
大量消費社会は、膨大な量の廃棄物を生み出します。
プラスチックごみは、海洋汚染の主要因の一つです。海洋生物がプラスチックを誤飲することで、健康被害や死亡につながります。
2050年までに、海洋中のプラスチックの量が魚の量を上回るとの予測もあります。
海洋プラスチック汚染は、生態系や人の健康に長期的な影響を及ぼす可能性があります。
環境負荷低減に向けた取り組み
国際社会の取り組み
国連は、持続可能な開発目標(SDGs)の一つとして、「つくる責任 つかう責任」を掲げ、持続可能な生産消費形態を確保することを目指しています。
2015年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することを目標としています。
国や自治体の取り組み
日本では、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。再生可能エネルギーの導入拡大や、電気自動車の普及促進などに取り組んでいます。
東京都は、大規模事業所に対してCO2排出量の削減を義務づける「キャップ・アンド・トレード制度」を2010年から導入しています。
この制度により、2019年までに対象事業所のCO2排出量を27%削減することに成功しました。
企業の取り組み
トヨタ自動車は、2050年までにグローバルでの新車販売で電動車100%を目指すことを表明しました。
日産自動車、ホンダ、スズキなども、電動車の販売拡大に力を入れています。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2030年までに使用する全ての素材を、リサイクル素材かサステナブル素材に切り替える方針を示しました。
2020年時点で、リサイクル素材の使用率は約30%まで高まっています。
教育と市民活動
環境省は、「こどもエコクラブ」を通じて、子どもたちが地域で主体的に環境活動に取り組む機会を提供しています。2020年までに、全国で約25万人の子どもたちが参加しました。
各地の環境NPOは、ビーチクリーンや森林保全、環境教育など、様々な活動を展開しています。
こうした草の根の活動は、環境意識の向上に大きな役割を果たしています。
私たち一人一人にできること
環境負荷を減らすためには、一人ひとりの行動が重要です。以下は、今日から始められる3つのアクションです。
- 電気をこまめに消す 部屋を離れるときや、使わない機器のプラグをこまめに抜くことで、電力消費を削減できます。
- マイバッグ、エコバッグを持参する レジ袋の代わりにマイバッグやエコバッグを使うことで、プラスチックごみを減らせます。
- 食べ残しを減らす 食品ロスは、世界全体で年間約13億トンに上ります。買いすぎや作りすぎに注意し、食べ残しを減らしましょう。
その他にも、節水や公共交通機関の利用、環境に優しい製品の選択など、私たちにできることは数多くあります。
一人一人の小さな行動が、大きな変化を生み出す力を持っているのです。
環境に優しいライフスタイルのヒント
環境負荷を減らすライフスタイルを実践するには、日々の生活の中で意識的に行動することが大切です。以下は、環境に優しい生活を送るためのいくつかのヒントです。
1. エネルギー消費を減らす
- 家電製品は、エネルギー効率の高いものを選ぶ
- 使わない部屋の照明は消す
- 冷暖房の設定温度を適切に調整する
- 公共交通機関や自転車、徒歩での移動を心がける
2. 廃棄物を減らす
- リユース(再使用)やリサイクルを心がける
- 過剰包装を避け、簡易包装の商品を選ぶ
- 使い捨て製品ではなく、繰り返し使える製品を選ぶ
- 食品ロスを減らすために、必要な分だけ購入し、使い切る
3. 水資源を大切にする
- 節水シャワーヘッドや節水コマを使用する
- 洗濯は、まとめ洗いをする
- 食器洗いは、汚れを拭き取ってから洗う
- 庭の水やりは、朝夕の涼しい時間帯に行う
4. 環境に優しい商品を選ぶ
- オーガニック製品や無農薬野菜を選ぶ
- リサイクル素材を使用した製品を選ぶ
- 地元で生産された食材を選ぶ
- 環境認証を取得した製品を選ぶ
これらのヒントを実践することで、私たちは環境負荷を減らし、持続可能な社会の実現に貢献することができます。
まとめ
環境負荷の問題は、地球規模で深刻化しています。地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、生物多様性の損失など、その影響は多岐にわたります。
国際社会や各国政府、企業、市民団体は、様々なレベルで環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。
しかし、根本的な解決には、一人ひとりのライフスタイルの転換が不可欠です。
私たちは、日常生活の中で環境に配慮した選択を積み重ねることで、持続可能な社会の実現に貢献できます。
エネルギー消費を減らし、廃棄物を減らし、水資源を大切にし、環境に優しい商品を選ぶ。
そうした一人一人の行動が、地球環境を守る大きな力となるのです。
地球環境を守るために、今日から一歩を踏み出してみませんか。
未来の世代に、豊かな地球を引き継ぐために、私たち一人一人ができることから始めましょう。
環境問題に取り組んでいる企業や団体
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