外国人と接する機会が増えた今日、ふと感じることがあります。
「外国人って、体臭がキツイ…」
実は体臭の感じ方には、文化的な背景が大きく関わっているのです。
INDEX
外国人の体臭が気になるのはなぜ?
- 電車で隣り合わせた外国人男性から、強烈な体臭が…
- 外国人の友人と会うと、いつも独特の体臭を感じる…
- 海外旅行先で、現地の人の体臭が気になった…
このように、外国人特有の体臭を感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
でも、なぜ私たち日本人は外国人の体臭を不快に感じるのでしょう?
体臭の原因と国による違い
そもそも体臭の原因は?
人間の体臭は、アポクリン汗腺から分泌される汗に皮膚常在菌が働きかけることで発生します。
また、食生活や生活習慣なども体臭に影響を与えます。
国や地域による体臭の違い
- アジア:
比較的体臭が少ない傾向にある。日本人は特に体臭が少ないと言われている。 - ヨーロッパ:
乳製品や肉類を多く摂取するため、独特の体臭がある。チーズなどの発酵食品も体臭に影響。 - アメリカ:
多民族国家のため、体臭の傾向はさまざま。ただし、肉食中心の食生活から強い体臭の人も。 - アフリカ:
気候や遺伝的要因から、体臭が強い傾向にある。エチオピアなどでは、独特のスパイスを使った料理が体臭に影響。 - 中東:
香辛料を多用した料理が特徴的。これが体臭にも反映されている。
このように、体臭は国や地域によって大きく異なります。ただし、同じ国や地域でも個人差が大きいのも事実です。
男女による体臭の違い
体臭の強さには、男女差もあると言われています。
男性は女性に比べ、アポクリン汗腺が発達しているため、よりキツイ体臭を発することが多いようです。
また、男性ホルモンの影響で、男性特有の体臭が発生することもわかっています。
いわゆる加齢臭も男性が強めです。
体臭に対する文化的な差異
日本人の体臭へのこだわり
日本人は昔から「匂い」に敏感な民族だといわれています。
平安時代には「薫物(香道具)」が貴族の間で流行し、香りを楽しむ文化が根付いていました。
当時の貴族たちは、季節や場面に合わせて香木や香草を組み合わせ、独自の香りを創り出していたのです。
江戸時代になると、「歯磨き」が庶民にまで広がりました。
当時の歯磨き粉は、口臭予防と歯の健康維持が目的で、現代の歯磨き粉の原型とも言えるでしょう。
また、風呂敷に香りをつける「匂い袋」も庶民の間で人気を博しました。
現代の日本でも、体臭ケアへの意識は非常に高いです。
デオドラント商品や制汗剤の市場規模は年々拡大しており、多くの人が日常的に使用しています。
また、柔軟剤や芳香剤なども豊富に販売されており、衣類や室内の嫌な臭いを防ぐのに一役買っています。
会社内や電車内などの公共の場はもちろんプライベートでも、強い体臭は厳禁とされています。
周囲に不快感を与えないよう、デオドラント商品の使用や清潔な衣服の着用が求められます。
体臭の強い人は、「不潔」というネガティブなイメージを持たれることもあるのです。
欧米における体臭の捉え方
一方、欧米では体臭を自然なものと捉える傾向にあります。
特に以前は、体臭は「人間らしさ」の表れとして肯定的に受け止められていました。
例えば、フランスには「ボディ・オーダー(体臭)」を愛する文化があります。
自然な体臭を隠すのではなく、むしろ強調するような香水をまとう人も少なくありません。
有名なシャネルの「No.5」も、女性のボディ・オーダーをイメージして作られたと言われています。
ただし近年は、欧米でも体臭ケアへの意識が高まりつつあります。
特に若者を中心に、強い体臭は嫌われる傾向にあり、デオドラント商品の使用が広まっています。
アメリカでは、1888年に初の制汗剤が発売されて以来、デオドラント商品の市場が拡大し続けています。
今や多くのアメリカ人が、毎日デオドラントを使用するのが当たり前になっているのです。
体臭を「魅力」として感じる国も
世界には、体臭を嫌悪するどころか、むしろ魅力として感じる文化も存在します。
モロッコでは、独特の強い体臭を持つ男性が「男らしい」と評価されることがあります。
ここでいう体臭とは、不衛生によるものではなく、男性ホルモンの影響で生じる自然な体臭を指します。
モロッコの女性たちは、そんな男性の体臭を「力強さ」や「野性的な魅力」の象徴として捉えているのです。
ブラジルでも、体臭は「ナチュラルな魅力」の一つとされています。
特に、情熱的なサンバを踊る際には、男女の体臭が入り混じることで興奮が高まると言われています。
このように、体臭をめぐる価値観は国や文化によって大きく異なります。
嫌悪の対象となる体臭も、見方を変えれば魅力的に映ることがあるのです。
私たちが常識だと思っていることが、実は一面的な見方に過ぎない可能性もあるのかもしれません。
食生活が体臭に与える影響
先述の通り、食生活は体臭に大きな影響を与えます。
具体的には以下のような食品が、体臭を強くする傾向にあります。
- ニンニク、玉ねぎなどの香味野菜
- 肉類、特に赤身肉
- 乳製品、チーズなどの発酵食品
- アルコール飲料
- コーヒー
逆に、以下のような食品は体臭を抑える効果があるとされています。
- 果物、特にシトラス系の柑橘類
- 緑黄色野菜
- ヨーグルトなどの乳酸菌食品
- 緑茶
食生活を見直すことで、ある程度体臭をコントロールすることができるかもしれません。
体臭を巡る多様性を認め合うために
体臭の感じ方には個人差もありますが、文化背景の違いが大きく影響しています。
私たち日本人が外国人の体臭を不快に感じる一方で、欧米では体臭を自然なものとして受け入れる傾向にあります。
また、モロッコやブラジルなどでは、体臭を魅力の一つとして捉える文化もあるのです。
このように、体臭をめぐる価値観は実に多様です。
自分の常識や感覚が、世界の絶対的な基準ではないことを認識することが大切でしょう。
ただし、あまりに強すぎる体臭は、不快感を与えかねません。
食生活の改善や、こまめな入浴、洗濯などで、ある程度は対策ができます。
外国人の友人や同僚がいる場合は、さりげなく清潔を保つためのアドバイスをしてみるのも良いかもしれません。
しかし、特定の人種や民族の体臭を一方的に不快だと決めつけるのは避けるべきです。
それは、相手の文化や価値観を否定することにつながりかねないからです。
体臭の多様性を認め合い、お互いを尊重することが何より大切です。
自分と異なる価値観を持つ人々と接する際には、寛容の心を持つよう心がけましょう。
とはいえ、常に近くにいる人の体臭が生理的に受け入れがたい場合もあるかもしれません。
そんな時は、自身の対処法を考えてみましょう。
- マスクを着用
- (相手を不快にさせない程度の)香水をつける
- 部屋の換気を積極的に行る。
- 空気清浄機の導入
大切なのは、相手の文化や価値観を尊重しつつ、自分も無理のない範囲で折り合いをつけていくことです。お互いの違いを認め合い、歩み寄る姿勢が求められます。
時には、体臭の違いが文化交流のきっかけになることもあるでしょう。
臭いをめぐる価値観の違いを、相手の文化を知るための入り口として捉えてみるのはどうでしょうか。
私たちには、多様な価値観を受け入れ、尊重し合える寛容さが求められています。
体臭ひとつをとっても、それは文化や習慣、価値観の反映なのです。
一方的に否定するのではなく、違いを認め合い、理解を深めていく。
そんな姿勢が、これからの多文化共生社会を生きる上で欠かせないのかもしれません。
まとめ
- 外国人の体臭が気になるのは、文化的背景が大きく関わっている
- 国や地域によって、体臭の傾向や捉え方は大きく異なる
- 日本人は体臭への意識が高い一方、欧米では体臭を自然なものと捉える傾向にある
- 体臭の強さには男女差もある。男性の方が体臭が強い傾向
- 食生活も体臭に大きな影響を与える。香味野菜や肉類は体臭を強める一方、果物や乳酸菌食品は体臭を抑える
- 体臭の多様性を認め合い、お互いを尊重することが大切
- 自身の価値観を大切にしつつ、体臭の違いから異文化理解を深めるのも良いかもしれない
国籍を越えた交流が日常となった今、体臭の違いを通して異文化への理解を深められたら素敵ですね。自分自身の体臭と向き合いながら、他者を思いやる心を忘れずにいきたいものです。
Q&A
Q1: 体臭が気になる外国人の友人がいます。直接言うのは失礼でしょうか?
A1: 相手を不快にさせないよう、言葉を選んで伝えるのが賢明でしょう。
体臭は繊細な問題なので、プライバシーに配慮しつつ、「一緒にデオドラント商品を探しに行かない?」など、フレンドリーに切り出すのがおすすめです。
Q2: 外国人と一緒に仕事をしていますが、隣の席の体臭が気になります。どう対処すべき?
A2: まずは上司や人事部など、適切な窓口に相談してみましょう。
個人の感覚で相手に注意するのは避けたいところ。企業としてのポリシーに従って、臭いに敏感な人への配慮も忘れずに対応していくのが良いでしょう。
Q3: 海外旅行先で現地の人の体臭が気になったら、どうしたらいい?
A3: その国の文化や習慣を理解することが大切です。
体臭が気になっても、現地の人を不快に感じさせないよう、言動には十分気を付けましょう。
また、自分の体調管理も忘れずに。マスクを携帯するなど、臭いへの対策をしておくと安心ですね。
体臭をめぐる問題は、一朝一夕には解決できません。
お互いの文化を尊重し合いながら、ゆっくりと理解を深めていくことが大切なのかもしれませんね。
では、グッドライフを!
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