思春期になると、汗のかき方や成分が変わり、体臭が気になり始める子が増えます。本人が気にしていることもあれば、周りのにおいに敏感になることもあります。
この記事では、体臭の原因と家庭でできるケアに加えて、からかいやいじめにつながってしまった場合の対応もまとめました。中学生本人にも、保護者の方にも読んでいただける内容です。
もくじ
思春期に体臭が強くなる理由
主な原因は、思春期のホルモンバランスの変化です。この時期にアポクリン汗腺のはたらきが活発になり、そこから出た汗が皮脂と混ざって皮膚の常在菌に分解されることで、特有のにおいが生まれます。
汗そのものは本来ほとんど無臭で、時間が経って菌に分解されるとにおいが出てきます。つまり「汗をかくこと」ではなく「汗を放置すること」がにおいにつながります。ケアの方向もここから決まります。
なお、体臭の出方には体質による差もあります。日本人と外国人で体臭の傾向が違うといわれる背景については、日本人と外国人の体臭の違いで詳しく書いています。
家庭でできるケア6つ
1. 毎日入浴して洗い流す
汗と皮脂を落とすのが基本です。脇の下、背中、耳のうしろ、足の裏など、においが出やすい場所は意識して洗います。ただしゴシゴシ洗いすぎると皮膚が荒れ、かえって菌が増える原因になります。よく泡立てて優しく洗ってください。
2. デオドラント製品を汗をかく前に使う
制汗剤は、汗が出てにおいが発生してから使っても効きにくいものです。朝の登校前など、汗をかく前に使うのが効果的です。肌が荒れる場合は使用量を減らすか、別のタイプに替えてください。
3. 服をこまめに替える
においの元は肌だけでなく服にも残ります。下着や靴下、体操服は毎日洗濯し、汗をかいたら早めに着替えます。制服など毎日洗えないものは、帰宅後に陰干しして湿気を飛ばすだけでも違います。
洗っても落ちないにおいには、酸素系漂白剤でのつけ置きが有効なことがあります。
4. 靴と靴下も見直す
足のにおいは中学生に多い悩みです。同じ靴を毎日履かず、2足を交互に使って乾かす時間をつくると改善しやすくなります。
足のにおいがなぜ発生するのかについては、なぜ人は自分の足の臭いを嗅ぐのかでも触れています。
5. 食事のバランスを整える
肉類や脂っこい食事に偏ると体臭が強くなりやすいと言われています。野菜や果物、発酵食品も食べるようにしてください。極端な制限は必要なく、偏りを減らす程度で十分です。
6. 水分をこまめにとる
汗をかいたら、のどが渇く前にこまめに水分を補給します。厚生労働省も、のどが渇く前の水分補給をすすめています。「1日◯リットル」と決めて無理に飲む必要はありません。
【チェックリスト】毎日のケア習慣
- ☐ 汗をかいた日はその日のうちに入浴する
- ☐ 脇の下・背中・耳のうしろ・足をていねいに洗う
- ☐ ゴシゴシ洗いすぎない
- ☐ 汗をかく前にデオドラント製品を使う
- ☐ 下着・靴下は毎日取り替える
- ☐ 制服は帰宅後に陰干しする
- ☐ 靴を2足で交互に履く
- ☐ 野菜・発酵食品も食べる
- ☐ のどが渇く前に水分をとる
- ☐ 夜ふかしを減らす
ケアしても気になるときの受診先
毎日きちんとケアしていても強いにおいが続く場合は、皮膚科に相談してください。汗を抑える塗り薬の処方や、生活面のアドバイスを受けられます。手術を含めた治療を検討する段階では形成外科が対応します。
わきが(腋臭症)は体質によるもので、本人の努力不足ではありません。医療で対応できる範囲があることを、保護者から伝えてあげてください。
なお、周りは気にしていないのに本人が強くにおいを感じて悩み続ける場合は、別の要因が関係していることもあります。その場合も、まずは皮膚科で相談するとよいでしょう。
からかいやいじめにつながってしまったら
思春期は体臭に敏感になりやすく、からかわれたり避けられたりすることがあります。学校に行きたくない、人と関わりたくないという気持ちにつながることもある、本人にとっては深刻な問題です。
本人への伝え方に気をつける
本人が気づいていない場合もあります。伝えるときは、人前を避けて二人きりのタイミングを選び、責める言い方をしないことが大切です。「一緒に制汗剤を選びに行こうか」のように、対処の提案として持ちかける方が受け入れられやすくなります。
きょうだいの前で言う、冗談まじりに指摘する、といった伝え方は本人を強く傷つけます。
相談できる相手を複数つくる
体臭の悩みは、大人でも人に言いにくいものです。親だけでなく、学校の先生やスクールカウンセラーなど、相談できる相手が複数いる状態にしておくと、本人が抱え込まずに済みます。
いじめが起きている場合はすぐ大人が動く
からかいがいじめに発展している場合、本人だけで解決できることはまずありません。担任やスクールカウンセラーに事実を伝え、学校として対応してもらってください。本人の話を聞くときは、まず味方であることを言葉にして伝えてください。
相談窓口
家族や学校の先生に言いにくいときは、外部の窓口も使えます。
- 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省):0120-0-78310(なやみ言おう)。24時間受付、通話料無料。子ども本人でも保護者でも相談できます。
よくある質問
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Q思春期が終われば体臭はなくなりますか?
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A
個人差があります。思春期特有の強さは年齢とともに落ち着くことが多い一方、わきがのように体質によるものは自然にはなくなりません。いずれにしても、清潔を保つ習慣は大人になってからも役立ちます。
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Q制汗剤は毎日使っても大丈夫ですか?
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A
用法用量を守れば毎日使って構いません。肌がかゆくなる、赤くなるといった症状が出た場合は使用をやめ、皮膚科に相談してください。
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Q学校でからかわれていると聞いたら、まず何をすべきですか?
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A
まず本人の話を最後まで聞き、味方であることを伝えてください。そのうえで担任やスクールカウンセラーに相談します。並行して皮膚科でケアの相談をすると、本人の不安が減ることもあります。
体臭は誰にでもあるもので、本人の責任ではありません。ケアで改善できる部分と、医療で対応できる部分があります。からかいやいじめが起きている場合は、周りの大人が早めに動いてください。



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