野菜や果物は、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で、健康に良いとされています。
しかし、野菜や果物にも危険なものがあることを知っていますか?
国産と外国産の違いや、毒性のある食品、食べ方の注意点など、野菜や果物を安全に楽しむために知っておきたいことを紹介します。
国産と外国産の違い
スーパーや八百屋で野菜や果物を買うとき、国産と外国産のどちらを選びますか?
国産は少し高めだけど安心、外国産は安いけれど安全性が気になる、といったイメージを持っている方が多いかもしれません。
農薬の使用量と基準
野菜や果物には、害虫や病気を防ぐために農薬が使われています。
農薬には人体に影響を及ぼす可能性のある成分が含まれているため、残留農薬の基準が設定されています。
日本では約4,400の農薬が認可されており、国民の健康に及ぼす影響や環境汚染などの社会問題化が懸念されるものに関しては、製造・販売ができなくなっています。
また、スーパー等に流通される前に検疫所でモニタリング検査を行うため、国産・外国産問わず、残留農薬の基準値を超えた農作物が出回ることはほとんどありません。
しかし、面積あたりの農薬使用量で見ると、日本は世界トップ3で農薬使用大国とも言われています。
これには、日本が温暖・多湿な気候のため、害虫やカビの害を受けやすいため、農薬の使用が避けられないという背景があります。
また、国際的な基準と日本の基準には違いがあり、野菜によっては諸外国よりも多くの農薬の使用が許されているケースもあります。
その基準に関しても、日本が多くの試験を行った結果「安全」と認めた数値なので、気にし過ぎることはありません。
しかし、国産だから農薬を使っていない、農薬の量が少ないといった考えは持たない方が良いでしょう。
品質と価格
国産と外国産の野菜や果物のもう一つの違いは、品質と価格です。
国産の野菜や果物は、収穫から出荷までの時間が短く、鮮度や味が保たれやすいというメリットがあります。
また、日本の気候や土壌に適した品種が栽培されているため、日本人の好みに合った味や食感が楽しめます。一方、外国産の野菜や果物は、輸送や保管に時間がかかるため、鮮度が落ちやすいというデメリットがあります。
また、傷みや割れなどが起こったものが混ざってしまうケースもあります。
しかし、外国産の野菜や果物には、価格が安いというメリットがあります。
これは、労働力や土地のコストが安いため、生産コストが低いことが理由です。ま
た、日本では栽培できない品種や、季節に関係なく入手できるという利点もあります。
外国産の野菜や果物には、日本では見られない色や形、味や香りがあるため、食の楽しみが広がります。
毒性のある食品
野菜や果物には、毒性を持つものもあります。
毒性とは、生物に対して有害な作用を及ぼす性質のことです。毒性のある食品は、正しく調理したり、正しい部位を食べるように気をつけなければなりません。以下に、毒性のある野菜や果物の例を挙げます。
リンゴやサクランボの種
リンゴやサクランボの種には微量のアミグダリンが含まれており、これが体内でシアン化合物に変化することがあります。大量に摂取すると健康に害を及ぼす可能性があるため、種は摂取しないようにしましょう。
リンゴやサクランボの種以外にも、バラ科サクラ属の果物の種には同じようにアミグダリンが含まれています。
バラ科サクラ属のフルーツには、あんず、梅、スモモ、桃、プルーン、ネクタリンなど、果実の真ん中に一つだけ大きな種が入っている核果の種類が多いです。
ただし、一度に数百個食べると健康に影響に出るというレベルなので、リンゴやサクランボの種を間違って飲み込んでしまってもそれほど心配する必要はありません。
トマトやナスの茎や葉
トマトやナスの茎や葉にはソラニンという毒性物質が含まれています。
これらの部位を生で摂取すると、消化器系や神経系に影響を及ぼすことがありますので、料理に使用する際は注意が必要です。
カシューナッツ
生のカシューナッツにはウルシオールという毒性物質が含まれており、皮膚炎を引き起こすことがあります。
市販されるカシューナッツは加工処理されているため安全ですが、生の状態での取り扱いには注意が必要です。
生のカシューナッツを扱うことはほとんどないと思いますが…。
食べ方の注意点
野菜や果物には、毒性のあるものだけでなく、食べ方によっては危険なものもあります。
以下に、食べ方の注意点を挙げます。
モロヘイヤ
モロヘイヤには微量のヒ素が含まれることがありますが、適切に調理することでリスクを軽減できます。
茹でることでヒ素の量を減らすことができるので、茹でた後の汁は捨てるようにしましょう。
パイナップル
パイナップルに含まれるブロメラインは、口内のタンパク質を分解する作用があります。
これにより、口内がヒリヒリすることがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。
また、熟したものを選ぶと、ブロメラインの影響を少なくすることができます。
もう一つ注意点として、お腹の弱い人は、牛乳やチーズなどの乳製品と一緒に食べないようにしましょう。
ブロメラインは、乳製品のタンパク質も分解するため、消化不良や下痢を引き起こすことがあります
消費者が注意すべきこと
野菜や果物を安全に楽しむためには、消費者としても以下のことに注意する必要があります。
- 野菜や果物を買うときは、産地や品質、有機栽培かどうかなどの情報を確認しましょう。
産地や品質によっては、残留農薬や毒性のリスクが高い場合があります。
ただし、有機栽培の場合でも、必ずしも無農薬というわけではありませんので、注意が必要です。 - 野菜や果物を食べる前には、流水でよく洗いましょう。
表面に付着している残留農薬や汚れを除去することができます。
また、皮をむいたり、茎や葉を取り除いたりすることで、毒性のある部分を避けることができます。 - 野菜や果物を調理するときは、正しい方法で行いましょう。
茹でたり、加熱したりすることで、残留農薬や毒性のある物質を減らすことができます。
ただし、茹で汁や皮などは捨てるようにしましょう。
また、生で食べると危険なものは、絶対に避けましょう。 - 野菜や果物を食べる量は、適度にしましょう。
野菜や果物には、栄養素だけでなく、残留農薬や毒性のある物質も含まれています。
食べ過ぎると、これらの物質が体内に蓄積され、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、野菜や果物だけでなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
まとめ
野菜や果物は、健康に良いとされていますが、国産と外国産の違いや、毒性のあるものや食べ方の注意点など、知っておきたいことがあります。
野菜や果物を安全に楽しむためには、消費者としても注意する必要があります。
野菜や果物を買うときや食べるときには、以下のことに気をつけましょう。
- 産地や品質、有機栽培かどうかなどの情報を確認する
- 流水でよく洗う
- 皮をむいたり、茎や葉を取り除いたりする
- 正しい方法で調理する
- 食べ過ぎない
- バランスの良い食事をする
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