あなたは毎日のようにフライドポテトやポテトチップスを食べていませんか？
実は、それらがあなたの健康を脅かしているかもしれません。
油で揚げたジャガイモに含まれる「アクリルアミド」という物質が、発がんリスクを高めることが明らかになっているのです。
アクリルアミドとは？
アクリルアミドは、ジャガイモに含まれるアスパラギンというアミノ酸が、高温で加熱されることで生成される物質です。
国際がん研究機関（IARC）によると、アクリルアミドは「人に対しておそらく発がん性がある」とされており、動物実験では様々ながんの発生率が高まることが確認されています。
アクリルアミドによる健康リスク
国立がん研究センターの研究によると、日本人の1日あたりのアクリルアミド摂取量は平均で0.3〜0.6μg/kg体重とされています。
これは、WHOが推奨する上限値（0.37μg/kg体重）を上回っており、健康への影響が懸念されます。
アクリルアミドの健康リスクとしては、以下のようなものが挙げられます：
- 神経機能障害（手足のしびれ、感覚鈍麻、歩行障害など）
- 各種がんの発生率上昇（腎臓がん、肝臓がん、前立腺がんなど）
ただし、これらの健康リスクは主に動物実験で確認されたものであり、ヒトへの影響については更なる研究が必要とされています。
アクリルアミドの発がん性の程度
国際がん研究機関（ IARC ： International Agency for Research on Cancer ）による発がん性分類において、人に対する発がん性の証拠は不十分だが、動物実験における発がん性の証拠は十分にあることから、アクリルアミドは2A（人に対しておそらく発がん性がある）に分類されています。
（参考）国際がん研究機関 (IARC ）による発がん性分類（平成 28年 8月 時点）
| 分類 | 評価内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 人に対して発がん性がある | コールタール、アスベスト、喫煙、カドミウム、ディーゼルエンジンの排気ガス等 |
| 2A | 人に対しておそらく発がん性がある | アクリルアミド 、クレオソト（木材の防腐剤）等 |
| 2B | 人に対して発がん性を示す可能性がある | クロロホルム、わらび等 |
| 3 | 人に対する発がん性については分類できない | カフェイン、コーヒー、お茶、コレステロール等 |
| 4 | 人に対しておそらく発がん性がない | カプロラクタム（ナイロンの原料） |
「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」
「アクリルアミドが多く含まれる素材」
農林水産省では、「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」、「食品中のアクリルアミドの含有量に関する調査結果」を公表しています。
この調査結果を参考に、アクリルアミドの含有量が多い食品の例を把握しておき、アクリルアミドの含有量が多い食品は控えるようにしましょう。
農林水産省：食品関連事業者向け「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」
農林水産省：食品中のアクリルアミドの含有実態調査
アクリルアミド摂取量を減らすための対策
食品安全委員会の専門家は、「アクリルアミドの摂取量を減らすためには、揚げ物や焼き物を控えめにし、野菜や果物、全粒穀物などを中心とした健康的な食生活を心がけることが大切です」と述べています。
以下は、アクリルアミド摂取量を減らすための具体的な対策です：
- オーブンや蒸し調理など、低温調理法を選ぶ
- 揚げ物や焼き物を作る際は、焦がさないよう注意する
- 調理したものはすぐに食べる
- 野菜や果物、全粒穀物、豆類などの食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取する
まとめ
油で揚げたジャガイモに含まれるアクリルアミドは、発がんリスクを高める可能性があります。
しかし、ジャガイモを完全に避けるのは現実的ではありません。
大切なのは、アクリルアミドの生成を抑える調理法を選び、バランスの取れた食生活を心がけることです。
今すぐにできる対策を実践して、あなたと家族の健康を守りましょう。
では、良い健康ライフを！
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